赤口の意味と由来―六輝・六曜(暦の資料)

赤口―六輝・六曜の赤口について

赤口の意味

赤口には、 「しゃっこう」・「じゃっこう」・「しゃっく」・「じゃっく」・「せきぐち」などの読みがあります。赤口の意味がどういうものなのか、暦(こよみ)には次のように書かれています。

  • 《清明神社の暦》:正午は吉、前後(午前と午後)は大凶なり。
  • 《高島易断の一流派の暦》:赤舌日(しゃくぜつにち)とも言われます。赤舌(しゃくぜつ)とは恐ろしい羅刹神(らさつしん)という鬼の事で、悩みをまき散らすために何事をするにも悪い日とされています。正午だけが吉で、朝夕は凶、特に祝い事は大凶です。
  • 《日本占術協会の暦》:赤口神が衆生を悩まし、新しい事始めなどは多くの障害を招いて凶です。月替わりの正午は吉。時刻で午前9時から午後3時までは吉です。

・・・・・・このような解釈になっています。「正午は吉」と言っても、時間的には何分くらいなのか、それともジャスト正午だけでピンポイント的な吉なのか、そのようなことも気になります。「時刻で午前9時から午後3時までは吉です」と書かれていても、これを正午と言うには時間の幅が長すぎるようにも思います。また、「赤舌日」という説明もかかれていますが、それがどういうものなのかを含めて、赤口の由来を調べてみました。

赤口の由来

赤舌(しゃくぜつ)とは陰陽道で使われる言葉で、赤舌神(しゃくぜつしん)という神の名前に由来しています。赤舌神(しゃくぜつしん)は、陰陽道の太歳神(たいさいじん=木星)の番神で西門を守るとされます。赤舌神(しゃくぜつしん)の配下には、六つの鬼=羅刹神がいて、この鬼が一日ごとに入れ替わって西門を守護させていました。その六つの鬼羅刹神の中でも、最も凶悪なのは3番目の鬼羅刹神でした。それで3番目の鬼羅刹神が西門の守護にあたる日を「赤舌日(しゃくぜつび)」と呼んで恐れたそうです。

3番目の鬼羅刹神が6日ごとに巡るというのは、六輝・六曜赤口の巡行日と同じです。そして、この「赤舌日(しゃくぜつび)」というのは、『徒然草』の第九十一段にも登場しています。そこには次のように書かれています。

「赤舌日ということは、陰陽道では沙汰のない(問題にしない)ことだ。昔の人は、これを忌み嫌うなんてことはしなかった。このごろは、何者が言い出して忌むようになりはじめたのか、この日に始めたことは最後まで至らないと言って、その日に言ったことや行動したことは上手くは行かず、得たものも失くしてしまい、計画したことも実行できないなどというような考えは、愚かというほかはない。吉日を選んで行ったことさえ、終わりまで上手く行かないことが多いのだから、これを数え上げてみても同じことが言える。(中略)吉凶とは、その人次第であって、日によって決まったりするものではないだ」(※勝手に現代語に訳しましたが、ニュアンスはあっていると思います)

・・・・・・吉田兼好の言葉は、まさに至言です。愚かな話は、昔からあったのですね。

さて、話を赤舌神(しゃくぜつしん)に戻します。赤舌神(しゃくぜつしん)は、陰陽道の太歳神(たいさいじん=木星)の番神で西門を守るとされていますが、東門を守っているの番神は赤口神なのです。ということは、本来は赤舌神(しゃくぜつしん)という名称だったものが、混同した結果なのか恋なのかは分かりませんが、赤口神に入れ替わったということです。ひょっとしたら、吉田兼好の『徒然草』に書かれたことが原因で、赤舌神(しゃくぜつしん)から赤口神に替えられたということも考えられます。

それと、『徒然草』の作者である吉田兼好は鎌倉時代末期から南北朝時代の人ですから、この時期に六輝・六曜が我が国に伝わった様子も、この第九十一段から伝わってきます。そして、これを広めたのは、陰陽師・陰陽家では無さそうだということも、「陰陽道では沙汰のない(問題にしない)ことだ」という文面から明らかです。これについては、赤舌神(しゃくぜつしん)の話を広めたのは仏教僧だという話が、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「赤舌日」に書かれています

赤口の意味を再び考える

赤口の意味について、最初に引用した暦の解釈と、『徒然草』に書かれているものを比較すると、明らかに違った内容です。正午だけ吉で午前と午後は大凶だなんて、どこにも書かれていません。『徒然草』に書かれているのは、この日に物事を始めたり、計画を立てたり、約束事をしたとしても上手く行かない日、予定やや言行が完結しない日だとする考え方があるということです。これって、まるで仏滅を意味するような内容です。これは、六輝・六曜というものの中味が、時代を経るうちに改変されたことの証明でもあります。

元の「赤舌日(しゃくぜつび)」の解釈が正しいものだとすると、暦に書かれている赤口よりも恐ろしい日だと言えそうですが、その心配は吉田兼好も否定していますから恐れるに足りないものでしょう。まあ、そんなことを書かなくても、多くの人が迷信だと思われていることでしょうが。

六輝・六曜を構成する「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」という六種類の吉凶判断の解説は、この記事で一通り終わりです。次回は、六輝・六曜のまとめを書く予定です。

暦(こよみ)と開運の資料館-An author is Ukyo.


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カテゴリー: 六曜・六輝

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